アメタ食堂

トキオの青山というところでその辛い辛いカレーを初めて食べました。
それはとても辛いけれど、とっても甘くてそれから
いったいどんなものでこの味になったのかまったく見当がつかない
くらい,これを私が再現してつくることなど決してできないと瞬時に
わかるような味でした。まさに完全降伏してつくることなど考えずに
幸福に食べるだけに徹していい,さっぱりとしたあきらめもあるような
おいしさでした。そこに連れていってくれた人がここのカレーそっくり
なカレーがパリにもあるよと言ってました。思えばその瞬間からずっと
その味の構成要素を探し続けていたのかもしれませんね。私は。
でも完全に降伏を幸福にしていたのですよ（笑
だって私は食べることは好きだけど、つくることは憎んでさえいますし、
つくるのは自分で作らなければだれもつくってくれないから
しぶしぶ作るというような人間ですから。

それから私はそこに通って辛くて一口しか食べられなった
その激辛カレーを10年以上の月日をかけて完食できるように冒険を
繰り返しました。まさにそれは冒険でした。暴力的な辛さが津波の
ようにやってくると,もう為す術もなく、引き返すことも前に進む
ことも出来ず、この冒険をはじめたことを後悔し、途中で投げ出す
ことを繰り返すうちにこのカレーを食べるには決して最後の辛さの
波がひくまで水を飲んではいけないことを学びました。
そしてやっと10年以上たって初めて最後まで食べ終わることが
できた時,身体はまるで羽がはえたように軽く、身体すべての毛穴と
今はじめて交信できた気もして、このカレーがなぜこんなに辛いのか
理由がわかったような気がしました。ただ辛いだけのカレーは
たくさんあるでしょうがこのカレーはまったく違っていたのです。
立体感のある旨みや香りが伴った辛さなのです。
一言でいうと「食事というようりはむしろ体験とか実験」全身運動の
後のような感じの清々しさなのです。私は10年以上もかかったこと
よりも、この体験ができたことの幸福に降伏して、感謝の気持ちで
一杯になりました。

そしていつしか青山のお店がなくなり、
そのカレーをパリにいかないと食べられなくなりました。
そして私は降伏していないことに気がつきはじめました。
その味、香りの構成要素の分解をし続けていることに気がついたのは
あと３つほど判れば同じ味になるかもしれないと思った頃でした。
頭で考え続けていたのですが確信がないので全く手は動きませんでした。
でもその3つがまったくわからないのです。

そして私は鹿屋にやってきました。
ある日その３つが　「あれ？これかも？！」とひらめいたのです！
全く意外な何かです。
そして幸運なことにその時目の前に
世界一おいしい大隅の黒毛和牛のスジ肉が偶然あったのです。
22年の時を経て私ははじめてそれを作りはじめました。
そしてそれはまさにビンゴ！の３つだったのです。

そのカレーを知っている友人に食べてもらうと
まさにあの味になったというのです。
わたしもそう思いました。
あの味よりも肉の質がよいので、もっと上品なものにすら
なっていると思いました。それはわたしのレシピの力ででなくて
この大隅の土地の力のような気もしました。
今ここにいることに感謝をして
22年来の謎に終止符をうったのです。

そう！トキオにいかなくても！パリにいかなくても！
私はもういつでも食べられる！！！
そう思うといろんな方に特にこの土地の方に
感謝を込めて食べて頂きたくなったのです。
とっても変わったカレーです。でもすごく癖になるカレーなのです。
一度食べると、波のように食べたくなるのです。
私はそうでした。ぜひぜひこのおいしさを皆さまとシェアしたくて

今回3ヶ月限定で、つくります。激辛の好きな方は迷わず
「激辛」をおすすめします。苦手なかたはまず　「辛い」で慣れて
ぜひいつか激辛を挑戦して下さいね。
挑戦のコツは
①決して完食後辛さの波がひくまで水を飲まないこと
②人参かきゅうりのスティックがあるとその旅のオアシスになります。
　初めて挑戦される方はサービス致します！お申し付け下さいね

それからカレーあとのアメタブレンドはオススメです！
さあ　冒険の旅に出られて見ませんか？